猫の尿管結石

猫の上部尿路結石【腎結石・尿管結石】の98%以上がシュウ酸カルシウムであり、高カルシウム血症により生じる可能性が示唆されています。

猫の尿管は、内径が0.4㎜と非常に狭く、1㎜未満の結石でも閉塞しやすく、線維化を起こしやすいという特徴があります。

内科的管理では奏功率が低く、腎機能の不可逆的な低下を防ぐためにも、すみやかに外科的な介入を行います。

米国獣医内科学会(ACVIM)の尿管結石の診断指針

□エコー検査にて、腎盂拡張がある。
(※腎盂拡張の重症度は加味しません)

□エコー検査にて、閉鎖部位よりも近位の尿管の拡張を認める。

また、エコー検査にて閉塞性病変が認められない場合は、X線検査やCT検査にて、結石の存在を評価します。

尿管は、後腹膜腔内の脂肪の中を、腎臓から膀胱に向け走行しています。
猫の尿管閉塞の主な原因は、結石によるものですが、それに付随して生じる血餅などの凝固物、炎症産物、外傷、線維化などによっても閉塞が起こります。

結石による完全尿管閉塞により生じた重度の水腎症では、重篤な臨床症状を示します。 しかし、腎臓と尿管は、左右2組あるため、片側の腎臓が正常の25%以上で尿管が閉塞していなければ、一方の尿管閉塞では重篤な臨床症状(尿毒症)は生じません。

⇒よって、症状がなく偶発的に見つかるケースもあり、もう片側の尿管が閉塞するまで見逃されることがあります。

術式の選択

尿管の外科的治療法として、主に尿管切開術、尿管端々吻合術(尿管部分切除)、尿管膀胱吻合術があります。
実際は、術中の肉眼的状態と触診にて、閉鎖部位の確定した後に、術式の最終的な決定をします。
猫では、尿管近位での線維化病変による閉塞も多く、尿管切開術のみでの再建が困難な場合は、尿管の部分切除を実施し、端々吻合を実施します。

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